壁掛けテレビはやめとけ？後悔の原因と失敗しないための全対策まとめ

壁掛けテレビが人気でも「やめとけ」と言われるのはなぜなのか？

テレビは壁に掛けるのが当たり前という空気が強まり、SNSでもホテルのようにスッキリ見える実例が毎日のように流れてきます。

ところが検索すると「壁掛けテレビはやめとけ」「後悔した…」という強い言葉も目立ちます。このギャップは、見た目のメリットが先行しやすい一方で設置の前提条件や手間が十分に想定されていないことから生まれます。

壁に穴を開ける心理的ハードルや下地、補強の要否、配線と周辺機器の置き場や視聴高さと角度、将来の買い替えや引越しまで。後から修正しづらい、決めなければいけないことが多いのが壁掛けテレビの特徴です。

もう一つ、後悔の火種になりやすいのが「設置して終わりではない」という現実。録画機やゲーム機、サウンドバーやSTB（チューナー）などテレビ以外の機器をどこに収め、どう配線を隠すかを事前に設計しないとせっかくの壁掛けが配線の露出で台無しになったり、操作が面倒になったりします。

さらに、視聴距離や目線の高さが合っていないと首や肩が疲れやすくなり「見た目は最高なのに使い心地が悪い」という本末転倒になりがちです。

しかし、壁掛けテレビには床面の可視面積が広がって部屋が大きく見える。掃除がしやすいく子供やペットが画面を倒しにくいといった実利もあります。つまり壁掛けテレビは、向いている家や暮らし方では満足度が高い。一方で条件が合っていないと後悔しやすい、適材適所の選択が必要です。

本記事では「やめとけ」と言われる代表的な理由を分解し、失敗しないための具体策と代替案まで網羅。この記事を読めばご自宅とライフスタイルに照らして「やる・やらない」を自信を持って判断できる状態になります。

壁掛けテレビの失敗と後悔の原因

壁掛けテレビは見た目のスタイリッシュさから人気が高く、SNSやモデルルームなどを見て「自分の家にも取り付けたい」と思う人が増えています。

しかし、実際に設置した人の中には「やって後悔した…」「思っていたほど便利じゃなかった…」と感じるケースが少なくありません。

以下は失敗と後悔の原因です。大きく５つに分けることができます。

１．壁に穴を開けるリスクを軽く考えた

壁掛けテレビを設置するためには、金具を壁に固定する必要があります。

その際に壁の下地や強度を確認せずに施工してしまうと壁が割れたり金具が外れる、テレビが落下するといった事故につながる恐れがあります。

また、壁補強をしなければならない場合だと追加工事費が数万円かかることもあるので予算を超えてしまう人も少なくありません。設置後に「位置を変えたい」と思っても簡単には動かせず、一度開けた穴を元に戻すには補修費が発生するため、思っていたよりも自由度が低いと感じる人が多いのです。

２．配線やレコーダー収納の設計を忘れた

壁掛けテレビの美しさは「配線を見せないこと」にあります。

しかし実際には電源コードやアンテナ線、HDMIケーブルなどが複数あるためそれらをどう隠すかが最大の課題です。壁内に配線を通す「隠ぺい配線」は確かに美しいですが、専門業者による工事が必要で費用もかかります。

一方、外に出すと生活感が出てしまい「せっかく壁掛けにしたのに見た目が台無し」という声も多く聞かれます。さらに、レコーダーやゲーム機をどこに置くか決めていないとリモコンが届かない、収納が増えるといった不便さに直面します。

３．設置位置を誤って見づらくなった

テレビの位置が高すぎる…あるいは低すぎるという失敗も多発しています。

壁掛けにすると「高い位置に設置した方がかっこいい」と感じる人が多いのですが、実際には視線の高さ（床から約100〜110cm）が最適です。目線より上に画面があると首が疲れたり、長時間の視聴で姿勢が悪くなったりする原因になります。

また、部屋の照明や窓の位置によっては反射や映り込みが強くなり視聴にストレスを感じるケースもあります。

４．引越しや買い替えのことを考えていなかった

壁掛けテレビは一度取り付けると、簡単に移動できないのが大きな欠点です。引越しやリフォームの際には、取り外し工事と壁の補修費が必要になります。

さらに、新しいテレビを購入したときに「金具が合わない」「取り付け穴の位置が違う」など再設置できない問題が発生することもあります。

その結果「結局、費用がかさむだけで手間ばかりだった」と感じてしまうのです。

５．賃貸や壁材の制限を見落とした

賃貸住宅では、壁に穴を開けること自体が契約違反になる場合があります。

また、コンクリートやALC（軽量気泡コンクリート）などの壁は専用工具や施工技術が必要でDIYでは対応できません。

こうした制約を無視して取り付けると、退去時に高額な原状回復費用を請求されるリスクがあります。

壁掛テレビを設置した人の声

壁掛けテレビは一見完璧に見えるインテリアアイデアですが、実際に導入した人たちの声には賛否両論があります。

ここではSNSやレビューサイト、ブログなどでよく見られる体験談をまとめました。「後悔した人」「満足している人」それぞれのリアルな感想を整理します。

もっとも多い声がこのタイプです。

設置直後は「ホテルみたいでオシャレ」「部屋が広く見える」と満足する人が多い一方で時間が経つにつれて使い勝手の悪さに気づくケースが目立ちます。

例えば、レコーダーやゲーム機を収納するスペースがなくなり別の棚を買い足す羽目になった人や配線が露出して「美観が崩れた」という声もあります。

また「思っていたより高い位置に付けてしまい、首が疲れる」「掃除はしやすくなったけど、テレビの裏に手が届きにくい」といった日常の小さな不便さに後悔するケースも少なくありません。

次に多いのがコストや手間の面で後悔した体験談です。

壁掛け金具や工事費、配線処理を合わせると「予算より3〜5万円オーバーした」「DIYでやったら壁を傷めて結局プロに頼むことになった」など最初の想定を超えてしまうケースが多く見られます。

特に、壁内に配線を通したい場合は電気工事士の資格が必要なため「配線を隠したいけど追加工事が必要と言われた」「構造上、配線が通せなかった」といった想定外の制約でストレスを感じる人もいます。

実際に住環境が変わったときに「あのとき壁掛けにしなければ…」という後悔もよく聞かれます。

引越しの際に取り外し費用と壁の補修費がかかったり、新しいテレビのサイズや金具規格が合わずに再設置できなかったなどのトラブルも発生しています。

特に賃貸では「退去時に原状回復費を請求された」「管理会社に禁止されていたのに自己判断で付けてしまった」といったトラブル報告も。

壁掛けは固定設備に近いため、ライフスタイルの変化に対応しづらいという声が多いのが特徴です。

もちろん、満足度の高い体験談もあります。

特に小さな子供やペットがいる家庭では、テレビを倒される心配がなくなったことで安心感を得ている人が多いです。「子供が画面を触らなくなった」「ペットがコードを噛むことがなくなった」など安全面でのメリットは非常に大きいと評価されています。

さらにテレビ台を置かない分、床のスペースが広く見え掃除も楽になったという実用的な利点も。

「家がすっきり見えるから毎日気分がいい」「リビングがモデルルームみたいになった」など暮らしの満足感が上がったというポジティブな声も目立ちます。

最近では、固定型ではなく可動式アームや壁寄せスタンドを選んだ人からの満足度が高い傾向があります。

これにより、角度調整やメンテナンスが容易になり「壁に穴を開けずに見た目もスッキリ」というバランスを取ることができたという声が多いです。

「将来の引越しを考えてスタンドにしておいて正解だった」「見た目は壁掛けみたいだけど、自由度が高い」といった「やめとけ派」と「やってよかった派」の中間的な成功例が増えています。

壁掛けテレビのメリットを再確認

壁掛けテレビはただのインテリアトレンドではなく暮らしの質を上げる実用的な選択でもあります。

しっかりと計画を立てて導入すれば「やめとけ」ではなく「やって良かった」と感じるインテリア投資になります。

ここで壁掛けテレビのメリットを再確認しておきましょう。以下に代表的なメリットを順を追って解説します。

１．部屋が広く見え、インテリアが洗練される

最も実感しやすいのが空間の広がりです。

テレビ台を置かなくて済むため床面積が広がり、視覚的にも開放感のある部屋になります。リビングや寝室がコンパクトでも壁面を活用することで「圧迫感のないスッキリ空間」を演出できます。

また、壁掛けにするとテレビが「浮いて見える」ためホテルライクで洗練された印象になります。近年は配線を隠せる金具やデザインパネルも増え、インテリアの一部として自然に溶け込むように設計できます。

２．掃除がしやすく、ホコリがたまりにくい

テレビ台の下や背面はホコリが溜まりやすい場所ですが、壁掛けにすると床掃除が圧倒的にラクになります。ロボット掃除機もスムーズに通れるため、日常的な掃除の手間が減ります。

さらに、テレビ背面にホコリが付着しにくくなり通気性が良くなることで機器の寿命にも好影響を与えます。

３．子供やペットの安全性が高まる

小さな子供が画面を触ったり、ペットがテレビ台を倒してしまうリスクは少なくありません。壁掛けにすることで「倒れる」「ぶつかる」「コードを噛まれる」といった事故を防げます。

特に、活発な時期のお子さんがいる家庭では安全性の面で非常に大きなメリットです。

４．視聴位置を最適化できる

壁掛けテレビは、視聴者の目線の高さに合わせて設置できるのも強みです。テレビ台の高さに制限されないため座る位置やソファの高さ、部屋の形に合わせて最も快適な高さを選べます。

さらに、可動式アーム金具を使えば上下左右に角度を調整でき、ダイニングから見たいときや寝室で寝ながら視聴したいときにも柔軟に対応できます。

５．配線をスッキリ隠して生活感をなくせる

壁掛けテレビでは壁の中やモール（配線カバー）を使って配線を隠せるため見た目がとても清潔に整います。テレビ周りはリビングでも目に入りやすい場所なのでコードが見えないだけで空間全体の印象が大きく変わります。

「テレビ台の裏の配線がごちゃごちゃして嫌だった」という人には見た目とメンテ性の両方を改善できる解決策になります。

６．家具配置や動線の自由度が上がる

テレビ台がないことでリビングのレイアウト自由度が向上します。ソファの向きを変えたり、観葉植物を置いたりと空間を自在に活用できます。

また、壁面の高さを活かせるため限られた空間を縦に使う工夫ができるのもポイントです。例えば、テレビの下に収納棚やデスクを設けるなど機能的なインテリアづくりが可能になります。

７．配信や動画視聴の満足度が上がる

最近では「Netflix・YouTube・Amazon Prime」などのストリーミングサービスをリビングの壁掛けテレビで楽しむ人が増えています。

テレビを目線の高さに設置すると長時間の視聴でも姿勢が安定しやすく、疲れにくいです。よって、配信や動画視聴の満足度が上がります。さらに、サウンドバーやスピーカーを下部に設置すれば映画館のような没入感を味わうこともできます。

壁掛けテレビで失敗しないためのポイント

壁掛けテレビは事前に正しい手順と注意点を押さえておけば、安全で快適な「理想の壁掛け空間」を作ることができます。

失敗しないための鍵は「デザイン」よりも「準備」と「設計」です。

・壁の強度
・高さ
・配線
・金具
・将来の使い方

この5つを事前に整理しておけば設置後に「もっとこうすればよかった」と後悔することはほとんどありません。

施工前の下準備を丁寧に行うことが何よりのポイントです。以下で5つのポイントをさらに深掘りしていきます。

１．壁の下地と強度を必ず確認する

壁掛けテレビを安全に取り付けるためには、壁の内部構造の確認が最優先です。テレビはサイズによって10kg〜40kg以上あるため、石膏ボードの表面だけで支えるのは危険です。

取り付け位置の裏側に木製の下地（間柱）や補強板があるかどうかを下地探し器などで確認しましょう。もし下地がない場合は補強工事を行うのが安全です。

特に大型テレビを設置する場合、壁の強度が不足していると時間の経過とともにビスが緩み、テレビが傾いたり落下したりするリスクもあります。不安がある場合は家電量販店や施工業者に相談し「壁の耐荷重」まで確認したうえで施工してもらうことをおすすめします。

２．視聴距離と高さをしっかりシミュレーションする

テレビの高さや距離は見やすさと快適さに直結します。一般的にテレビの画面中央が目線の高さ（床から約100〜110cm）にくるのが理想的です。

しかし、座る位置やソファの高さによって最適な高さは変わります。

設置前にダンボールなどでテレビの大きさを再現し「実際に座って見たときに首が疲れないか」「視線の角度が自然か」を確認すると失敗しにくくなります。

また、部屋の照明や窓の位置も考慮し光の反射や映り込みがない角度を選ぶことも大切です。

３．配線と電源位置を事前に設計しておく

壁掛けテレビで最もよくある後悔が「配線の見た目」です。せっかく壁掛けにしたのに電源コードやアンテナ線が垂れ下がって見えると、インテリアとしての美しさが半減します。

そのため、設置前に電源コンセントやアンテナ端子の位置を確認し移設しておくことが重要です。テレビ裏にコンセントを設けておけば配線を完全に隠すことができます。

また、ブルーレイレコーダーやゲーム機など接続機器をどこに置くかも忘れずに計画しましょう。壁内配線が難しい場合はモール（配線カバー）を使うことで壁と一体化したように隠すことも可能です。

４．可動式アーム金具で自由度を確保する

固定金具を使うとスッキリ見えますが、一度取り付けると角度や位置の調整ができません。そのため、視聴位置を変えることが多い家庭では「可動式アーム（上下左右に動かせるタイプ）」の金具を選ぶと便利です。

可動式ならテレビの角度を細かく調整でき、ダイニングからでも見やすくしたり背面の配線をメンテナンスしやすくしたりできます。将来的に別のテレビに買い替える場合もVESA（ベサ）規格対応のアーム式金具を選んでおけば、再利用がしやすく経済的です。

５．将来の引越し、買い替えを見据えて設計する

壁掛けテレビは一度設置すると簡単に移動できないため「今だけでなく将来も使える設計」にすることが大切です。

引越しやリフォームの際には取り外し費用や壁補修費が発生します。そのため、設置位置や壁の素材は補修しやすい場所や材質を選びましょう。

壁掛けテレビはやめとけ？計画と準備を万全に！

壁掛けテレビは見た目の美しさや省スペース性から人気が高い一方で施工や施工後に伴うリスク、手間とコストが予想以上に大きい設備でもあります。

特に「やめとけ」と言われる理由には次のような共通点があります。

・壁に穴を開ける、補強が必要で手軽に取り付けられない

・配線やレコーダーの収納が難しく、見た目と機能の両立が難しい

・設置位置を誤ると視聴疲労や違和感が出やすい

・引越しや買い替え時に再施工費や補修費がかかる

・賃貸や脆弱な壁では設置そのものが不可能

しかし、これらの問題は「壁掛けそのものが悪い」というより設計段階での準備不足や条件の見極め不足が原因です。つまり、事前に次のポイントを押さえれば後悔する可能性はぐっと減ります。

・壁の構造（下地・強度）を調べ、必要なら補強する

・配線や電源位置を最初から設計に組み込む

・視線や高さ、角度をシミュレーションして位置を決定する

・将来の移動や買い替えを想定し、補修しやすい施工を選ぶ

・条件が合わない場合は壁寄せスタンドや突っ張り式スタンドなど代替案を選ぶ

壁掛けテレビはおしゃれなインテリアではなく固定設備です。その意識を持ち構造や暮らし、将来の変化を踏まえて判断すれば「やめとけ」ではなく「やってよかった」という結果に繋がります。

見た目だけでなく安全性や快適性、持続性のバランスを取ることが後悔しない壁掛けテレビ選びの最重要ポイントです。

計画と準備を万全にするための細かいチェックリストを載せておきます。